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ニキビ跡治療(主にクレーター)

[2022.09.16]

ニキビは毛包内で起こる強い炎症です。強い炎症の結果毛穴周囲の組織が傷ついてしまい、跡として残ってしまったものがニキビ跡になります。

ニキビ跡には大きく4種類あります

炎症後色素沈着:ニキビの跡のもわっとした灰色調の跡、大体は6か月程度で自然に改善します

炎症後紅斑:ニキビ跡の赤み、6か月程で自然に改善することが多いですが凹みを伴う場合など長期に残ることがあります

萎縮性瘢痕:いわゆるクレーターで、今回の記事ではクレーターについて説明をしていきたいと思います

肥厚性瘢痕、ケロイド:ニキビ跡のしこり、盛り上がりになります。時間をかけ自然に落ち着くこともありますが、そのまま残ってしまうこともあります

 

萎縮性瘢痕(クレーター)の種類と概要、治療について

萎縮性瘢痕(クレーター)はいわゆるクレーターのことです。

ニキビによる強い炎症により毛穴周囲の組織が壊され、それを治すために創傷治癒が起きます。損傷部位が大きかったり、創傷治癒によるコラーゲン生成が不十分であった結果、ニキビがあった部分が凹み、線維化した瘢痕組織ができた状態のことを萎縮性瘢痕といいます。0.3%アダパレンと2.5%過酸化ベンゾイル配合ゲルの使用が萎縮性瘢痕の予防と減少に有効であるという報告があります。

一度できてしまった萎縮性瘢痕は自然に治ることはほとんどありません。
Jacobらによる分類が有名で、萎縮性瘢痕を特徴別にアイスピック型、ローリング型、ボックスカー型に分類を行います。

自然治癒は難しく、瘢痕組織を除去し皮膚のリモデリングを促す施術を根気強く継続していき目立たなくするのが治療のゴールになります。

早く治そうとし、本来の自然治癒できる範囲以上の強い出力で施術を行うと施術による瘢痕が形成されより悪化する場合があります。(ダーマペンの深さを過剰に深くするなど)

治療はフラクショナルレーザー、ニードリング(ダーマペン等)、フラクショナルニードルRF(ポテンツァ等)、パンチングによるくりぬき法、TCAクロス、サブシジョンなどになります。ニキビ跡の分類型により治療方法が異なりますのでニキビ跡の分類毎に施術の説明をしていきたいと思います。

 

アイスピック型

クレーターのサイズ(開口部)は2㎜以下と小さいのですが、奥に深いタイプになります。クレーターの深さは皮下組織まで及ぶこともあります。クレーターの周囲は硬い瘢痕組織で覆われております。深さが浅い場合は、ダーマペンやポテンツァ、ピコフラクショナル等でのリモデリングを行いますが、深い場合はTCAクロスやパンチングによるくりぬき法で瘢痕組織を除去し再生を促す治療を併用していきます。


ローリング型

クレーターのサイズが4㎜以上と大きく、クレーターの境界は不鮮明でなだらかな凹みです。強い炎症による線維化した瘢痕組織が毛穴の周囲だけでなく真皮から筋膜にかけて縦方向に生じてしまい皮膚が下にひきつられている状態です。この縦方向の線維は、縦方向に治療をしていくフラクショナルレーザーやダーマペンでは効果が出にくく、横方向に瘢痕組織を除去するサブシジョンを組み合わせることで治療を行います。ニキビの炎症が脂肪組織に及んだ結果、脂肪萎縮を伴い波打つように凹んでいる場合はサブシジョンに加え、ヒアルロン酸や脂肪注入といった充填療法を併用することもありますが、注入療法にはしこり等のリスクもあるため。注意が必要となります。

 

ボックスカー型

クレーターの境界が垂直ではっきりとし底は平らです。深さが浅い場合は、ダーマペンやポテンツァ、ピコフラクショナル等でのリモデリングを行いますが、深い場合はTCAクロスの併用を行います。
萎縮性瘢痕のニキビ跡にはこれらに分類されないようなタイプとして、ニキビの後に毛穴の開きが強くなるタイプや広く浅いクレーターができるものもあり、真皮のリモデリング治療を中心に行っていきます。
 ニキビ跡は単独で存在する場合もあれば、色々なニキビ跡が合併していることがしばしばあります。ローリング型や脂肪萎縮など皮下脂肪層に及ぶニキビ跡ではダーマペンやフラクショナルレーザーでの皮膚(表皮から真皮まで)のリモデリングだけでは効果が不十分なこともあるため、肌の状態やダウンタイムなどに応じて施術を組み合わせたオーダーメイド治療を行う必要があります。

当院ではお肌への負担や効果を考え、

ピコフラクショナル

ダーマペン

ポテンツァ(10月頃導入予定)

TCAクロス

サブシジョン

 

の施術を組み合わせた治療のご提案をカウンセリング時にさせていただいております。

大まかではありますがフローチャートになります

ここからは各施術の説明になります

 

PICOフラクショナルレーザー(PICOレーザーを使用したフラクショナルレーザー)

アブレイティブフラクショナルレーザー、ノンアブレイティブフラクショナルレーザーと異なりPICOレーザーを使用したフラクショナルレーザーになります。当院で使用するPICOレーザーはキュテラ社のエンライトンSRになり、真皮層にレーザーの焦点を設定したマイクロレンズアレイを通し、マイクロドット状に照射することで「オプティカルブレイクダウン」が起こり、プラズマが発生します。プラズマにより強力な衝撃波が発生することで組織の蒸散と微細な空砲の形成などをおこし、創傷治癒過程を利用したコラーゲンなどの生成促進など真皮層のリモデリングを行います。

ニキビ跡治療の場合は強い出力での照射となるため、点状の内出が生じることが多いです。施術後の痂皮(かさぶた)形成を伴う場合もあります。

 

ダーマペン4(マイクロニードリング)

ハンディータイプの機械で、ディスポーザブルの針(使い捨ての針)を用い高速で針を刺をさしていきます。当院では0.2㎜~3.0㎜の範囲で針の深さの調整が可能なダーマペン4を使用し施術を行います。皮膚表面には無数の微細は針孔ができるため、効果的なドラッグデリバリーが可能となります。針による刺激や組織損傷により創傷治癒過程を利用したコラーゲンなどの生成促進など真皮層のリモデリングを行います。針の深さについては深い程いいというわけではなく、過度な深さによる施術では瘢痕として残る危険があるため、針の深さについては適切な深さについて、医師や看護師が相談の上、ご提案させていただいております。

当院では以下のメニューをご提案させていただいております。

マッサージピールの導入を行う、ヴェルヴェットスキン

ミラノリピールの導入を行う、ミラノスキン

ウーバープロといわれるダーマペン専用のピーリング剤の導入を行う、ウーバーピール

※ウーバープロはマンデル酸や乳酸などのピーリング作用のある酸に加え、コウジ酸やアルブチン、ナイアシンアミドといった美白作用のある薬剤になり、毛穴や小じわだけでなく色素沈着等にも効果が期待できます。

ポテンツァ(フラクショナルニードルRF)

※今後当院でも導入予定です

RF(高周波)による熱作用を利用し、肌質改善を目的とした治療です。剣山状のマイクロニードルという外径が0.25mmで32Gの極細針が多数ついたチップを肌に挿入しながら、針先からRFを照射し、真皮層に熱エネルギーを与えることで創傷治癒を引き出します。RFによる止血作用により出血を抑えられるため、ダウンタイムを抑えることができます。

肌はダメージを修復しようとする過程でコラーゲンやエラスチンなどの産生を促すため、小じわや肌の弾力、毛穴の開きに対して高い効果を期待できます。

当院では①ドラッグデリバリー機能搭載のポッピングチップ②酒さ、毛穴、リジュビネーション(アンチエイジング)治療ができるチップの2種類を用意する予定です。

ポテンツァでのドラッグデリバリーの方法は、針が抜けると同時に空気の力で薬剤を注入する方法となります。薬剤を広範囲且つ均一、正確に浸透させることができるため、RFとのコンビネーションによる相乗効果を得ることが可能です。②のチップについて、お肌のお悩みに合わせて針の深さやRFのLEVELを調整することが可能です。

点状に針を刺してその先端からRFを照射するため、皮脂の分泌や皮脂腺周辺の炎症を抑え、ニキビが作られにくい肌状態になる効果を期待ができます。

TCAクロス

高濃度のTCA(トリクロロ酢酸)40~90%をアイスピック型orボックスカー型のクレーターに
竹串を使い塗布すると、皮膚とその周囲の組織に浸透していきます(赤み、ヒリヒリ感がでます)

初回は肌の反応等の確認をするため、40%~60%での施術となります。2回目以降は肌の反応を見ながら濃度の調整を行いますが、高濃度のものを使用すると炎症後紅斑のため赤みが残り、ニキビ跡が悪化したように見える場合や、強い腐食のため悪化する場合があります。

TCAによりクレーター周囲の瘢痕組織を含む組織が腐食し、皮膚表面は白くなるフロスティング
といわれる状態になります(フロスティングは数時間~1日で落ち着きます)

その後はかさぶたになり1週間程で自然に剥がれ落ちます(濃度や肌質によりかさぶたにならない場場合もあります。)。剥がれ落ちた皮膚は赤~ピンク色になり時間とともに馴染んでいきます(経過中に色素沈着を起こすことがあります)。濃度やお肌質により1か月程度で軽快する場合と、3~6か月程度要する場合があります。
腐食部分では創傷治癒過程により真皮の線維芽細胞が活性化されコラーゲンの生成が促されますが、肌に合わない高濃度のものでの治療では逆に悪化するリスクもあるため、注意が必要です。

また、他に稀ではありますが色素脱出、皮膚感染症を起こすことがあります。感染がご心配な方へは抗菌薬の外用処方もさせていただいております(¥1,000もしくは¥2,000)

サブシジョン

サブシジョンはローリング型といわれる、なだらかな凹みのあるニキビ跡や波打つような凹凸のあるニキビ跡が適応となります。ローリング型では真皮から皮下組織、筋膜まで瘢痕組織による癒着が起こりひきつれている状態です。局所麻酔を行い状態でサブシジョン用の使用する特殊な針を刺入し、縦方向の瘢痕組織を切離することでひきつれを解除します。ローリング型は同じ部位にアイスピック型やボックスカー型など他のニキビ跡が合併していることがあるため、他施術との併用がおすすめです。

アブレーション

アブレーションはクレーター周囲の強い瘢痕組織を伴うアイスピック型orボックスカー型のクレーターが適応となります。

施術のイメージとしては電気メスを使用し、クレーターの角を削り取るかどとりの施術となります。

電気メスを使用しクレーター周囲の瘢痕組織を除去し、その後は軟膏塗布を行い上皮化とコラーゲン生成を促しクレーターをなだらかにしていく施術となります。

1週間後からは別途トレチノインの外用を行い真皮のコラーゲン生成の促進をおすすめしております。

施術後のケアによっては悪化するリスクやクレーター部位よりやや広めに削るため、クレーターが広がって見える可能性があります。

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