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シミ治療(ピコスポット)と経過、色素沈着とその対策について

[2023.02.03]

シミ治療の流れ

ここでいうシミ治療は老人性色素斑(日光黒子)のことをいい、ピコスポット後の経過について説明させていただきたいと思います。

当院でのピコスポットはエンライトンSRを使用しております。ピコレーザーを使用したシミ治療はこれまでのQスイッチレーザーと比較し、ダウンタイムを抑え色素沈着がしにくいといわれています。ピコスポットの適応となるのは、シミ、ADM、隆起のない黒子(色味や状態によります)になります(アザへの照射も行っておりますが自由診療での照射となります)。

シミ治療は濃いシミの方が気になり、薄いシミより治療が難しいという印象があるかもしれませんが、実際は薄いシミの方が治療は難しいです。薄いシミはメラニン量が少なくレーザーが反応しにくい場合や、皮膚の深い位置にあるため、かさぶた化せず回数が必要となる場合があります。

 

同意書の説明をさせていただいた後、ピコスポットの照射が適応かどうか、肌の状態を医師が診察を行います。

 

肝斑やシミの状態によってはピコトーニングやピコダブルのお施術をご案内させていただく場合がございます。その際のキャンセル料等は発生しませんのでご安心ください。

目立つシミが多く、肝斑がある場合でもピコスポットを行う際には、肝斑上のシミを避けての照射を行います。

 

肝斑部分への照射はシミが薄くなる場合もありますが、強い色素沈着や白斑となるリスクがあるためピコトーニング・ピコダブルの施術、トレチノインハイドロキノン外用、内服を組み合わせた肝斑治療の先行をお勧めします。

肝斑が軽度でリスクを説明させていただき、了承の上で出力を下げての照射を行う場合がありますが、ハイリスクのため肝斑治療を優先させることがお勧めです

肝斑以外では、くすみの強い方、スキントーンが暗め、日ごろから日焼けをしている方は色素沈着が生じやすいです。色素沈着が気になる場合は、ピコスポットの1か月前にオーダーメイドピコダブル+トラネキサム酸内服+ハイドロキノンなどの美白剤外用の併用を行い、色素沈着をしにくくした上でのピコスポットがおすすめです(強い肝斑の場合は回数・期間を要する場合があります)。

 

ピコスポット照射時はクーリングを行い照射を行っていきますが、チクチクとした痛みがあります。

照射後の状態

 

照射を行ったシミ部分は

①シミ(老人性色素斑)やそばかすの場合は黒く浮いてきているような見た目に

②ADMや深いシミ(淡く灰色調)の場合は灰色が強くなりもわっと濃くなったような見た目

なります。また、シミ周囲が虫刺されの後みたいにぷくっとむくんだ赤みを帯びた感じにもなります。

このむくんだ感じは当日中に引くことが多いです。

※稀に照射直後から全く赤みを帯びず、黒く浮いてくる感じがない場合もございます。

 

直後はやや厚めに照射部分広めにステロイドの軟膏を塗布します。その後は当院で指示させていただいた期間、スポット照射部位へのステロイドの軟膏の塗布をお願いしております。

 

①のシミは当日~翌日の夜にはシミ部分が赤みを帯び黒くくっきりと浮いた薄いかさぶた状になります。その後5-7日程度かけて自然に剥がれ落ちピンク色を帯びた肌の状態となります。かさぶたは2週間程続く場合があります。

 

②のシミは赤みを帯びるもののそのまましばらく変化はありませんが、1~2か月程かけて色味が徐々に薄くなっていきます。

 

シミの深さや性質によっては1回目ではほとんど効果が出てこないこともあります(薄いシミやADM、黒子で多いです)。その際は期間をあけた後、出力を上げて2回目の照射となります(目安は2,3か月後ぐらいです)。

照射後の経過

かさぶたが取れた後は肌の色がきれいになります。その際、お肌のくすみがある場合ですと一時的に白く抜けたような白斑様となる場合があります。多くは1~2か月の経過で周囲に馴染み目立たなくなっていきますのでご安心ください。

全体的なくすみが強い場合は、ピコスポット1か月後以降にルメッカ(IPL治療)を行い全体的な肌のくすみ治療、リジュビネーション治療がおすすめです。

 

Qスイッチレーザーでは程度の差はありますが色素沈着の発生リスクは3~5割程度といわれています。ピコレーザーではさらにそのリスクは低いといわれています。色素沈着の状態とは照射から2~3週間ぐらい経過してから急に灰色調のもわっとした色味が出てくることがあります。これが炎症後色素沈着の状態のことをいいます。多くは照射前より薄い色味のことが多いですが、稀に炎症後色素沈着は照射前より濃くなる場合もありますまた、薄いシミの場合は新たにシミができたようにそこまで気にしていなかったシミの部分が濃くなることもあります。

炎症後色素沈着は照射後1~2か月後ぐらいが色味のピークとなります。照射をし、2~3か月ぐらいは大体同じ程度の色味で経過し、その後徐々に薄くなり半年~1年かけて消失していきます。稀に真皮層にメラニンが滴落してしまうと色味が残ってしまうことがあります。

色素沈着は自然に落ち着いていきますが、隠そうとして強くメイク時に塗りこむようにこすったり、コンシーラーを強くこするように塗りこむと長引いてしまいます。

深いシミ(色味が薄く、境界があまりはっきりしないもの)はかさぶたとならずに1~2か月かけて徐々に薄くなる経過をたどるシミもあります薄いシミの方が効果を実感するのは難しく(治療効果が出にくい)、1回目の照射の反応をみて(シミがうすくなったかどうか、変わらないか、色素沈着はどうであったか)2回目の出力を上げていくか決定していきます。

厚みのあるシミでは1回で取り切れず複数回治療を行う必要があります。出力を上げればいいのではないかと思うかと思いますが、出力を上げることによる火傷、瘢痕形成のリスクもあるため出力の調整には注意を要します。

 

炎症後色素沈着を防ぐためには、メラノサイトン活性を抑えてからピコスポットの施術がおすすめとなります。メラノサイトの活性を抑えることで、新たなメラニンをできにくくしていきます。

・施術前(1か月以上前がおすすめ)からハイドロキノンなどのメラニン生成を抑える用の使用

ピコトーニングやピコダブル(ピコトーニング+ピコフラクショナル)でくすみや肝斑の治療を先行し行う

トラネキサム酸の内服を行う(ピル服用時はお控えください)

 

施術後の炎症後色素沈着を防ぐ、悪化させないためには下記があげられます。

紫外線対策の徹底

摩擦を避ける(特にマスクの摩擦が問題となります、マスク側の4隅にワセリンを塗るなど対策がおすすめです

ハイドロキノンなどの美白剤の併用(コウジ酸、アゼライン酸、ナイアシンアミド、システアミンも効果的)

 

施術後の炎症後色素沈着の改善、対策には下記があげられます。

トレチノインやピーリングでのメラニンの排出促進(紫外線の影響を受けやすくなるため、紫外線対策を徹底してください)

ピコレーザーでのメラニンの分解と排出促進(どの施術メニューが最適か色素沈着の程度、色味により変わるためラインよりご相談ください)

トラネキサム酸の内服・メソセラピー・エレクトロポレーション

 

※トラネキサム酸のメソセラピーについてメニュー化を進めているところになります。

 

使用するトレチノインの濃度や沈着したメラニンの濃さ、肌の反応の仕方により薄くなるまでの経過に違いがでてきます。当院では1日1回塗布を基本濃度0.025%とし、効果が弱い場合は0.05%、それでも乏しい場合や肌の状態が大丈夫でより早く排出を促す場合は1日2回でのご案内をさせていただいております。

経験上とはなりますが、色素沈着は肝斑部分よりこめかみやもみあげ付近のフェイスラインの方が色素沈着を起こしやすい印象があります。マスクや寝ているときの枕の摩擦も影響している可能性があります。

かさぶたが取れた後、白くお色味が抜けたように見えることがあります。くすみのある方やスキントーンが暗めの方で起きやすいです。一過性のことが多く大体は1~2か月程度かけて周囲になじんでいきわからなくなっていきますが、稀に白く抜けた状態がそのまま残ってしまうことがあります。

その他、火傷(水疱形成)、瘢痕、毛嚢炎等を生じることがあります。

色素沈着をしやすい肌、習慣とは?

スキントーンが暗め

日焼けをしている、くすみが強い

肝斑がある

頬や顔を触る癖がある

色素沈着を起こしてしまった際の治療方法は?(別途ご費用負担があります)

施術の場合

ピコレーザー(色素沈着の状態により、ピコトーニング、ピコフラクショナル、ピコスポットの使い分けを行います、色素沈着の状態について事前にラインよりご相談の上ご予約をお願いいたします。)

ミラノリピール(ターンオーバーを促進することでメラニンの排出を促します)

エレクトロポレーション(トラネキサム酸とビタミンCの導入を行います)

トラネキサム酸のメソセラピー

 

ホームケアの場合

トレチノイン・ハイドロキノン療法(新たなメラニンが生成されるのを抑え、排出を促します)

アゼライン酸やコウジ酸の外用(ハイドロキノンが使用できない場合おすすめです)

ピーリングローションの外用(沈着したメラニンの排出を促します)

トラネキサム酸の内服

 

診察によりお施術の変更や外用薬、内服薬の併用をお勧めさせていただくことがあります

ピコスポットでご予約をいただいていても、肌の色味や状態によってはピコスポットが不適のため、ピコトーニングやピコダブルをご案内させていただくことがありますまた、色素沈着を起こしそうな肌質、状態の場合はハイドロキノンとトレチノインの外用併用をお勧めさせていただくことがあります。

色素沈着を最小限にし、治療効果を最大限に発揮するためのご提案となりますのでよろしくお願いいたします。

また、トレチノインとハイドロキノンは皮膚の赤みやひりつきが出ることがあります。何かしら気になることがありましたら、当院の公式ラインよりお問い合わせ、ご連絡をよろしくお願いいたします。

シミの再発か色素沈着の区別は?

かさぶたとなりきれいに剥がれ落ちた後、もわっと色味が出てきた場合、その多くは色素沈着になるのですがシミの再発の場合があります。もともとあったシミよりも広範囲にもわっと色が出てきた場合は色素沈着の可能性が高いです。

どちらもメラニンのため鑑別がとても難しく、色素沈着の治療を行い残ってしまったものがシミ、消えたのが色素沈着という判断になります。目安としては色素沈着の期間である、6か月程度を要します。

シミ治療の肝はどれだけ色素沈着のリスクを抑えられるかになります。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

ピコスポットのご予約は下記よりよろしくお願いいたします。

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